ある産婦人科医の備忘録

産婦人科医の臨床、研究、考えについて

戒めとしての論文を書く上でのエッセンス

花, 植物学, ブルーム, 花びら, 成長, 自然, 瓶, ルカ, 木

 

統計解析もある程度理解した! 

統計ソフトも操作できる!

英文執筆も翻訳ソフトや英文校正があればそこそこだし...!

文献検索は得意です!

 

そんな彼は自分がバリバリ論文を書けるようになったのではないかと自信がついてきた.
しかし,その自身は粉々に打ち砕かれることになる.

 

(上司からのレスポンス)

言いたいことがわかりにくい. 

これの臨床的な有用性は?

その結果は臨床に合致するの?

 

(ジャーナルからのレスポンス)
研究デザインに問題がある(kick!).

そうなのです.

小手先の技術ばかり追い求めた結果として, 本質がおざなりになっていたのです.

 

高度な?統計技術を使用しても,
内容にインパクトがないとダメであるという基本的なことが意外と難しい.

 

その内容の価値とはどのように規定されるだろう?

 

・未解明の病態の解明

・稀な疾患や新たな疾患概念の記述

・リスク因子(できれば制御可能なもの)の発見

・新たな診断方法の提案

・診断の有用性評価

・新たな治療方法の発見

・治療の有用性評価 他の治療との比較

・治療の合併症の発見

 

また, FIRM2NESSというリサーチクエスチョン設定のフレームワークがある.


Feasible「実施可能性」
Interesting「科学的興味深さ」
Novel 「新規性」
Ethical「倫理性」
Relevant「必要性」
Measurable「測定可能性」
Modifiable「改善可能性」
Specific 「具体性」
Structured「構造化」

 

こういったフレームワークは一見しただけでは不十分, というか使えるようにはならない. 具体的な事案で,面倒ではあるが, その都度フレームワークに当てはめて熟考する経験を積まないとならないだろう.

自分はまだまだなので繰り返していくしかない.