ある産婦人科医の備忘録

産婦人科医の臨床、研究について

東京大学SPH(公共健康医学専攻)を卒業しました。

 

2026年3月24日 東京大学SPH(公共健康医学専攻)を卒業し、
MPH(Master of Public Health)/ 公衆衛生学修士を取得しました。

            



↓ 入試~入学からあっという間の充実した学生生活でした。

obstetrician.hatenablog.com

 

以下の3点から、東大SPHでの1年間(私は1年コースでした)を振り返ります。

・視野の拡張

・社会を変えること

・一流の方々との出会い

 

 

・視野の拡張

この1年間で教員の先生方、同期の学生から様々なことを学ばせていただきました。

まず、講義ですが、東大SPHでは公衆衛生に関わる様々な分野の基礎を学ぶことができます。東大SPHを目指す方(特にMD?)には、疫学・生物統計・リアルワールドデータ解析に主な関心がある方がいるかと思います。私もそうでした。しかし、そんな方こそ、医療政策・経済・コミュニケーション・社会学・教育学等の分野を学んでいただきたい思います。人々の健康に貢献するには、病院の中だけでは限界があること、エビデンスさへあればいいというわけではないことを理解することができると思います。社会(人)は不確実で、それぞれ異なる文化や価値観(思想)を持ちます。

教員の先生方、同期の学生の方々は様々なバックグラウンドがあり、病院の中で臨床医をしていた経験しかない自分には無い視点を学ばせていただきました。多くの講義で質疑応答・意見のやりとりが行われ、講義の時間内では足りないこともあるほどです。講義自体はもちろん、そのディスカッションから学ぶことが多いです。

これらの学びを通じて視野が広がり、世界の見方が1年間で大きく変わりました。少し恐ろしいほどです。

 

・社会を変えること

人々を健康にするには、行動変容を起こす必要があります。これまで様々な研究が行われ、何が健康に良い・悪いというエビデンスが毎日のように更新されております。しかし、なかなか社会全体は変わりません。つまり、データを使ってエビデンスを作るだけでは、人々を健康をするには足りないのです。健康になるには野菜を食べた方がいい、運動をした方がいいということはほとんどの人が知っていることでしょう。でもなかなかそれができません。それは自己責任でしょうか?.... また、こうすれば解決できそうというアイデアはいくつか浮かぶかもしれませんが、それは格差を広げないでしょうか?それを実装するにはどうすればいいでしょうか(エビデンスを作ったその先は)?どのように伝える・意思疎通すればいいでしょうか?

東大SPHではこれらを研究・実践する教員の先生および外部から招かれた実務家の方々のお話を聞くことができます。

 

・一流の方々との出会い

東大の先生方には圧倒されます。とても近づくことができないと思わされるような超人的な能力を持たれているように感じることもあります(もちろん皆様とてつもない努力をされているかと思いますが)。ただし、この方向で自分も努力をすればいいんだなという学びがあります。また、同じ研究室の研究者の方々やSPHの同期にも尊敬できる方が多く、自分とのギャップを認識することで、今後の自身の成長のための指針を立てることができたと思います。

 

 

今後、私は新たな領域に挑戦をします。臨床医という立場ではなくなりますが、自分ができることを活かして社会に貢献していければと思います。

 

因果推論 IPTW-MSM G-formula の考え方



因果推論におけるIPTW-MSMやG-formulaを勉強。

G-methodsの3つの内、比較的理解しやすい2つ。

 

傾向スコアを用いたIPTW「傾向スコアの逆確立で重み付けすると交絡の影響を排除できる」くらいの理解のレベル感から一歩進もうと思います。

IPTW(MSM)、(更にG-formulaも)は時間依存性変数の文脈で出現しますが、いずれも時間依存ではない(Fix)交絡への対処でも用いられます。

なにがしたいのか? ⇒ 交絡の影響を排除したい、Exchangeabilityを獲得したい。

 

・IPTW-MSM

IPTWを用いて交絡の影響を排除した擬似集団を作ります。
疑似集団の作成のためにPSの逆確立で重み付けします。
これによって周辺分布が作れる(と言っていいのか?)。
この疑似集団においてアウトカムモデルを用いることで交絡を気にせずATEを求められる(重み付きのモデルを使用)。

ただし、ロバスト分散orBSでCI計算必要(同一個人へ重みを適用するため)。
アウトカムモデルに依存しない利点がある一方で、暴露モデルに依存する。
continuous treatmentがあるとdensityの推定に結局は仮定が必要。
Time-varyingでは時点毎の重みのΠなのでバイアスが増幅される。
Stabilizedの方が重み安定するとされるが、それでも安定するとは限らず、positivityを評価したり、必要に応じて重みの加工が必要(Stabilized weightに至る過程はSWIGによって表現できる)。Satured modelではStabilizedとUnstabilizedは一致するらしい。
Satured modelって結局なんなん。。。

相互作用の評価には使いにくいようですが、この辺りは勉強不足です。
ATEだけでなく、ATTを求めることもできる。
コーディングはシンプルな設定なら各時点の治療に対するモデリング⇒掛け合わせ。打ち切りがあれば、打ち切り重みも考慮。
Weightの分布の評価と必要に応じてTrimingやTurncationする(感度分析)。ただし、これやると結局Marginal なんですか?という疑問はある。

 

・G-formula(parametric)

普通の層別解析はその層の効果しかわからない
⇒ 標準化により集団全体効果を推定できる
⇒ 層が多いときやLが連続変数では困難
⇒ 回帰モデルによる標準化≒g-computation

(回帰モデルは誤設定なければ、回帰係数⇒conditonal ATE=marginal ATE)

成書によっては通常の標準化の式をTime-varyingを扱えるよう一般化したもの(history of Time-varying covariatesを加えたもの)をg-formulaである、としている。

まずデータを一個人に対して時点毎の行を持つ形にする。
アウトカムモデルを作りパラメタ推定する。
このときに交絡に対するモデルも作る必要がある。
Time-varyingな変数に対してはChain ruleを使い、逐次的に確率を積み重ねることになる。ここが肝になる部分であり、同時に誤設定リスクがある。
実際にどのようなモデルを作るのかはまだまだ勉強中だが、どれくらい過去の変数まで影響を考慮するか等を考える必要がある。

次にAlways treatとNever treatな仮想集団を構築する。(他のパターンも考えること可能)

その集団に対して上記で構築したモデルによりアウトカムモデル予測を行う。

求まった個人毎のアウトカム予測値を用いて群別の平均差からATEを求める。

 

g-null paradox 偽陽性 実際には影響少ない?

 

それぞれ仮定があり、誤設定リスクがある。➡Doubly robustへ。

また、これらはCounfouningの話なので、因果推論の一部であり、TTEなどの理解が必要。

 

完全に余談ですが産婦人科の最も権威のある雑誌(所謂Green Journal)の​​​Instructions for AuthorsでPSMを交絡調節の代表例みたいな感じで推奨しておりす。PSMの流行りの影響はあるみたいですね。この記事が示すようにPSMやればRCTを模倣できるわけではないです。

産婦人科専門医試験のCBT化 

日産婦から「産婦人科専門医認定二次審査における CBT試験について」と題したアナウンスが先日ありました。

パソコンを使う会社員のイラスト(女性・笑顔)パソコンを使う人のイラスト(男性・笑顔)

筆記がCBT化するだけであり、試験内容の変更は文面からは読み取れません。

以前より記載のある「総合点に関らず知識が偏っている場合は不合格となることもあります」については改めてご注意を。

 

以下、抜粋 (引用:日産婦誌77巻 5 号)

CBT試験では選択肢問題を120問出題する予定です.
出題範囲は学会が定めた「産婦人科専門研修における到達目標」に基づいており,婦人科腫瘍,生殖・内分泌,周産期,および女性ヘルスケアの4分野のほか,感染対策,医療倫理,医療安全や医療保険制度に関するものも含みます.
出題基準は産婦人科専門医に求められる知識および技能とします.

 ⃝産婦人科専門医として最低限必要な知識レベルの客観的評価を目的に実施します.
 ⃝総合点に関らず知識が偏っている場合は不合格となることもあります. 
なお,CBT試験に関するお知らせは今後も本会の機関誌やホームページに掲載する予定ですので,ご参照下さい.

 

2025 年度
CBT試験 2025年7月26日(土)
面接試験 2025年7月27日(日)

2026 年度
CBT試験 2026年7月25日(土)
面接試験 2026年7月26日(日)

 

※ 上記の試験内容や日程については現時点で筆者が確認したものであり、受験者は必ず自身で最新情報を確認するようお願い致します。

 

論文のReference(参考文献)のスタイルを整えよう

馬鹿にできない論文のReference(参考文献)の書き方をまとめます。

時短でやろう でも正確にやろう

論文を書く過程の中でここの作業はなるべく時短で済ませ、他のことに労力を割きたいです。よって、ここは所謂タイパが求められるパートです。

しかし、査読者はReferenceの体裁を注意深く見ております。
Referenceが整っていないと印象が悪くなります。
ここは加点はされませんが、減点されるパートだと思いますので注意しましょう。

 

ソフトを使おう でも目視もしよう

ソフトはなんでもいいと思います。
Mendeley・Zoteroなど無料のものがあります。(私はZotero派)
また、Paperpileは使いやすいですが有料です。
これらの使い方はYoutubeやネットに解説がたくさんあります。

ただし、投稿したいジャーナルのスタイルがそれらのソフトに採用されていないことがよくあります。さらに、そのジャーナルのスタイルを選択しても上手くいないことがあるので鵜吞みにしないことです。ソフトを使っても完璧にはならないことが経験上多々あります。 

 

重要なポイント

必ずジャーナルの投稿規定のReferenceセクションを確認しましょう。
ジャーナルによってはあまり詳しく書いて無いこともあります。
同時に、そのジャーナルから出版されている最近の論文を複数チェックしましょう。
複数というのがポイントです。なぜなら、意外と雑誌から出版されている論文の中にはジャーナルの投稿規定に沿っていないReferenceのスタイルのまま出版されていることがあるからです。

 

具体的な注目ポイントの一部

著者A, 著者B, 著者C, et al. 論文名. 雑誌の略称. 年巻号ぺージ. doi: ~~~

・著者:ジャーナルによって著者を何人まで記載するのか様々です。
 7人以上のときは3人まで記載するor6人まで記載するなど。

・ピリオド:「雑誌の略称.」「 雑誌の略称」とピリオドが付くものと付かないものがあります。
 特に良くないのは、同じ論文の中でピリオドが付いてたり、付いて無かったりバラバラなパターンです。

・雑誌名:文献ソフトに取り込む時に雑誌名が略称になってないことがあります。
  略称はPubmed等で確認するのが正確です。
  さらに斜体なのかどうかなど違いもあります。

・年巻号:書き方は様々です。
 例えばページでは71ページから78ページのときは2パターンあります。
  ①「71-78」 ②「71-8」
 後者は71と78で10の位が変わらないので書かないタイプです。100位も同様です。

・DOIまで入れるかどうか。

・論文ではなく、教科書やホームページを引用する場合はソフトで上手くいかないことが多いので、やはりそのジャーナルの直近の既報を見るのが良いです。

 

印刷して最終確認しよう

モニターで見ても細かなミスに気が付かないことがあります。
紙で印刷して確認することでミスの検知をしやすくなる印象があります。

 

生成AIは使える

Chat GPTなど生成AIで整えることもできます。
ただし、しっかりプロンプトで指示する必要があります。
個人的な使いどころは文献ソフトに引用スタイルとして近いもの見つからないときです。
またミスがないかのダブルチェックにも使えるでしょう。

 

 

個人的な査読経験からReferenceがしっかりしている論文は内容もしっかりしているような印象があります。因果関係かは不明ですが、相関はあると思います。

 

CSVファイルをExcelで開くと文字化けする【データクリーニング・前処理】

 

データクリーニング・前処理におけるピットフォールとして

 

CSVファイルをExcelで開くと文字化けする』

 

があります。

 

これスモールデータならExcelCSVファイルの中身を眺めることが気が付くことができるかもしれませんが、大きなデータでは文字化けしていることに気が付けない可能性があります。
(そもそも大きなデータをExcelで開くこと自体が重さ・効率の面で好ましいとは言えなさそうなのですが)

 

なので以下の問題が発生することに注意が必要です:

CSVファイルをExcelで開く→文字化けする→気が付かずに上書き保存する→文字化けしたデータで解析を進めてしまう

 

やはりデータは統計ソフト(RやSTATAなど)で扱うのが効率的かつ安全かもしれません。

ただし、統計ソフトでデータを読み込んでも文字化けすることがあります。
多くは文字コードの問題だと思うので、適切に文字コードを指定すれば解決するでしょう。

文字化けに気が付くにはデータの要約統計量、可視化(箱ひげ図やヒストグラム)、欠損確認が重要です。

 

 

余談:一応以下のような対処法はあるようです。

Excelで文字化けさせずにCSVファイルを開く方法 | パソコン工房 NEXMAG

 

 

 

東京大学SPH(公共健康医学専攻)入試対策の記録(非東大出身者の立場から) #東大SPH勉強法

受験のお守りのイラスト「合格祈願」
2025年度入学(2024年8月実施)の東京大学SPH(公共健康医学専攻)の入試に合格しました。

私はいわゆる内部生ではなく、かつSPHに知人がいないため完全に一人で対策をしました。対策法に関して気が付いたこと・自分なりのTipsをまとめておきたいと思います。

Public Healthを目指す気持ちがある人に広く入学の門戸が広がるといいな、という思いがあります。

(※私の一個人の意見ということで割引いてください。誤りもあると思いますが、ご容赦ください。また、質問・誤りがあれば遠慮なくご指摘いただきたいです。端的に伝えるために断定調・冷たく・偉そうな文章になってしまっていることも先に謝っておきます!)

 

アウトライン:

  1. 入試全体を通して言えること
  2. 英語
  3. Basic Public health(択一)
  4. Basic Statistics
  5. Subject
  6. 小論文
  7. 面接

 

・入試全体を通して言えること:

- SPHとして何を求められているのかという広い視点が必要です

- 求めていることに基づいて、メタ的な視野を入れて勉強・解答する

- 近年の傾向:細かい枝葉の知識よりも根本的な考え方・フレームワークを学んでいるかどうかを問われている

- 上記を考慮し過去問やってください(過去問は大学院の公式HPに案内があります)

- よって、過去問の丸暗記では解けない~ギリギリの戦いになるでしょう

- 英語・公衆衛生一般知識・統計基礎を広く知っていることが求められますが、想定される配点・スキルアップに要する労力から「英語」を中心に勉強する方がよいかもしれません(英語に自信がある人以外は)

 

上記(入試全体を通して言えること)は書いてしまとふわっとした内容ですが、すごく重要なことだと思います!

 

 

・英語:

- 私がやったこと
 ①過去問(手に入る年度全て)を(深く)3周
 ②Lancetを読む
 ③ワードクエスト ──世界とつながる上級英単

- 入試対策として最も有名なブログである「東大SPHを目指す貴方へ」をみますと、採点比率が高いと考察されております

- 英語を重点的に勉強する必要があります:
 ①英語を解く力は直線的には伸びない・時間がかかる
 ②入試の一番最初の科目ということもあり、ここでつまずいて心が折れないため
 ③英語力を身に着ければ(択一の知識問題のように知ってるか知らないかではなく)安定的に点数をとれる可能性がある
 ④Subjectの精神保健などにも通用する力になる
 ⑤入学後も必ず必要になる、その後のキャリアでも重要

- 私はSPH入試の英語は難しいと思います(特に近年は)
  なので、難しいと感じる方は焦らず、時間をかけて対策してください

- 具体的な対策としては、過去問を解いてください
  これはTOEICTOEFLとは別物であると思います
     英語をただ読むのではなく、英語で書かれた「論文」の内容を理解する必要があります

- 過去問は時間を測って解くことで、いかに時間が足りないかがわかると思います

- 過去問の答え合わせを軽く済ませるのではなく、より深く、なぜそれが正解になるのか、どうしたら解けるのかというロジックに拘って復習を繰り返してください
 これは言葉にしてしまうとシンプルなのですが、一筋縄にはいかない、非常に重要なステップですし、時間がどうしてもかかります

- 基本的にはパラグラフライティングで書かれているので、その概念を知らない方は調べていただき、それを意識して読んでください

- 入試で用いられる英文はLancetやNEJM等の論文のIntroductionであることが多いです

- 論文のIntroductionにはある程度の決まった流れがあります
 よくあるパターンは「●という事実がある。しかし(However)、▲という問題がある。その問題について深く論じる。」の流れです
 また、文章の中での対比構造などに気が付けるかがポイントです

- 「単語」は過去問に出てきたわからない単語を一つ一つ覚えることで、かなりの英語論文に用いられるものをカバーできます
 私はプラスでLancetの論文で単語を勉強するようにしました
 単語帳は必要ないかもしれませんが、私は「ワードクエスト ──世界とつながる上級英単──」も目を通しました
 全く単語に自信がない方はTOEFLの単語帳を、絶対出ないだろう領域(ex 地学とか)の単語を除外しながら勉強するのが良いかもしれません

- 2025年度は大問3題、難易度・文章量共に大問1>>>2=3です
  大問1で焦ってしまい、時間がとられてしまうと、点をとるべき2と3に悪影響を及ぼす可能性があります
 よって、まず大問1-3を眺めて、2と3から解くべきと判断すべきですし、これには1-2分しか要しないでしょう ”必ずしも頭から解く必要はない”という受験でしばしば言われる戦法です

- 去年(2024年度)の試験と同様ですが、筆記力を求めているように感じます
 これはアウトプット=論文を書ける力を試していると考えられます
 そのため、自分なりの解答をしっかり書きながら過去問を解くべきでしょう
 本番でいきなり書けるようにはならないです

- 2025年度の大問1は今までにはない長文でしたし、内容も難しかったです
 もしかすると今後も難問が一つは組み込まれるのではないかと思います
 難問が出るんだ、と腹をくくるしかないと思います
 (ただし大問2-3で点数は稼げました)

- 勉強期間としては、私は半年前から取り組みました
 なるべく週に数日は英文に触れる時間を設けました
 この入試の勉強のおかげで英語の論文を読む力がつきました

- また近年の傾向としては、環境に関する英文が出ているように思います
  Lancetの最新の環境疫学の論文のイントロだけでも読むようにすると慣れるでしょう
 (今後出題される保証はないのですが、疫学のうちホットな領域です)

-  契約してないと読めないものがありますが、Lancetnの「Series」は読みごたえがあって、個人的に過去問以外の読み物として選んでました⇩

Series from The Lancet

 

・Basic Public health(択一):

- 正直、これはどう対策すればいいのかあまり明確なことは言えません

- 私は過去問や「公衆衛生がみえる」などやり込んだつもりですが、それらでカバーされないものがいくつも出題されました

- 印象ですが、各SPHの先生方のご専門の色が強く出ているように感じます

- また各先生方の持たれる公衆衛生学的な考え方、フレームワークが反映されているように思えます 
  これはぱっと問題を見ても気が付かないのですが、実は特定の制度への問題意識を持って出題しているのかな、、、など、5択問題の背景に公衆衛生学的なストーリーが考えられます。なので、もし知識としては知らなくても、メタ的に考えてこれが正解だろうというような対策はできます

- とは言え、どこまで勉強すればいいのか、という感じになってしまいますが、
 ①過去問とその周辺知識
 ②重要な最新の統計データ(人口静・動態、国民健康栄養調査など主要な物から、世界の統計)
 ③各先生方の専門(これはHPやシラバスなどからご調査ください。他にも調査する方法はあるでしょう。)
 ④厚生省HPの資料
 ⑤後述するSubjectの内容と重複する部分
 を勉強するかたちになると思います

- 印象としては、近年の択一問題は、細かい枝葉の統計データよりは、ビックピクチャー・メジャーな統計結果を問うているように感じます

 

・Basic Statistics:

- これは対策しただけ素直に点数に反映される貴重な範囲だと思います

- 私は皆さんやられているように「統計学演習」をやり、それから過去問を解きました 

- また最近はyoutubeにたくさん統計の解説があるので、それも活用しました

- 私はもともと統計検定2級を持っております。しかし、統計検定2級の内容と被る範囲もありますが、異なる範囲もだいぶあるので、統計検定2級の勉強はしなくてよいでしょう(してもいいですが、効率の面では悪いかもです)

- 相関係数、決定係数、回帰、残差プロット、t検定、カイ二乗検定ポアソン分布、指数分布、幾何分布、負の二項分布あたりは最初は難しいですが、慣れればそこまで難しいことは求められてないと思います

- 帰無仮説、α・βエラー、標本誤差・標準誤差・標本偏差あたりはややこしいので注意して勉強しましょう

- やる必要性は微妙かもしれませんが、私はやることが無くなったので、
 東大大学院情報学環・学際情報学府 生物統計情報学コースの過去問もやりました

- Subjectの統計は難問があるので、余程統計に自信がある方以外は、Subjectの統計は全く別物と考えるべきだと個人的には思います

- 統計ばかり勉強することには注意すべきでしょう
 なぜなら、配点の上ではそこまで大きく無さそうだからです

 

・Subject:
以下は個人的な難易度を★~★★★★★で表現してます(雰囲気です)

- 想定以上に時間が無いですし、瞬発力でどの科目を選ぶかがキーになるので、よく対策を自分なりに考えておくべきでしょう

- 私は、本番で最後の最後までどの科目にするか迷って、ラスト8分くらいで一つの科目を変え、かなり焦りながら、手が壊れそうな勢いで汚い字を書きなぐることになってしましました

- 私は勉強をする時間があったのと、保険をかけたかったので統計以外は全て勉強しました
  ただし、中途半端にたくさん勉強すると意味が無いので、時間が無い方は
  少し余裕を持った科目数に絞って勉強する方が良いかもしれません

 

疫学、予防、調査法:★★~★★★

- 対策しやすいと思いますが、ときおり難問が出ます
  部分点はとりやすいのかなと思います

- 調査法に関しては社会疫学と臨床疫学のどちらの視点も学んだ方がよいでしょう

以下で勉強をしました

- 佐々木先生の「わかりやすいEBNと栄養疫学」

- 村上先生の「基礎から学ぶ栄養学研究」

- 基礎用語 - 社会調査NOW

 

教育:★★~★★★

- こちらも部分点はとりやすいように思いますが、逆に満点の解答を作る自信はないような年度もあります

- 個人的には、どこまで書いたら高得点なのかが判断できず意外と勉強する上で苦戦しました

以下で勉強をしました

- 石川先生の「保健医療専門職のためのヘルスコミュニケーション学入門」

- 「一目でわかるヘルスプロモーション : 理論と実践ガイドブック」

 

精神保健:★★

- 英語力と精神保健の基礎的な考え方ができていれば解きやすいと思います

- Lancetの精神保健関連の論文を読むことが対策になります
  使われる単語も限られます

- 枝葉の知識ではなく、考え方を自分の言葉で表現できることが大切だと思います

 

医事:★~★★★★

- 知っていれば簡単、知らなければ全く手が出ない感じです

- 解剖、感染症法、医療安全、臓器提供、虐待あたりは勉強しておいて損はないと思います これは択一にも活きますので

- 範囲としては広くは無いので、個人的には対策する価値があると思います

- 知らない分野が出たらすぐにあきらめもつきます=試験時間節約になります

 

倫理:★★★★~★★★★★

- 過去問と被りません

- 私は「入門・医療倫理I 」をかなり読み込んだつもりでしたが(単純に内容が非常に面白かったので)、本番で撃沈しました(倫理を選択する気満々でページを開いたら用語の3つくらいがわからなくて固まりました)

- 例年の問題をみると1-2個は知ってるかな、という感じですが、4-5個を答えられるようになるにはいったいどれほど勉強すればいいのかわかりません

- 個人的には、時間が無い人にはおすすめしない感じです
 (入試という観点以外では非常に面白く、勉強できたことはプラスになっております)

 

情報:近年は★★~★★★(昔は★★★★★)

- 結構前の過去問は全く手が出ない感じですが、近年の問題は比較的解きやすいように思います(昔のようなエンジニアリング的な問題は出てない)

- 医療情報の最近のトピックと、その問題について知っていれば、対策できるような印象があります

- 厚生労働省のHP上の関係ありそうなスライドを片っ端から見ました
 細かいこと(数値)は出る可能性が低いと思うので概念を知っていることが重要な気がします

- ただし、教授が退官されるので、今後どのような問題が出るのについては予想ができません

 

統計:★★★★★

 Subjectの統計に関しては私は対策を書けません
 統計検定2級を持ってるくらいでは太刀打ちできませんでした
 Basicとは次元が違う印象です
 統計が得意な方にとっては、自信を持って解答できる範囲なんだろうなと思います
 (採点基準の明確さという観点から)

 

・小論文:

- とにかく時間との勝負です、時間を計って実際に書いてみましょう

- 私は1800字程度書きましたが、もっと少ない人もいます

- 小論文の簡単なお作法は教科書など使って抑えましょう
  教科書はなんでもいいように思います

- 引用元の文献は私は8個書きました(参考文献:[1~8] 著者名. 雑誌名. 出版年. のような感じで文末にまとめましたが、これは正解はないかもです)

- できれば誰かに見てもらうこと、そして一度書いたものは時間を経て見直してみることを強く、強くオススメします(なので、早めに取り掛かって仕上げちゃった方がいいです)

- 頭から読んだときに、内容の理論的整合性が取れているかに注意が必要です

- 私は字をきれいに書くことを本当に苦手です。本番できれいに書くことを心がけたつもりが、実際に書き終わって全体を眺めたときにあまりに自分の字が汚くて変な汗をかきました・自分のあまりの字の汚さに大きく減点されてしまったらどうしようと不安で仕方なかったですが、採点では内容相当?の点数をいただき、ほっとしました

 

・面接:

-  自己紹介、志望理由、なぜ公衆衛生を学びたいのか、なぜ東大SPHじゃないといけないのかを言えるようにしましょう

- そのためにはSPHの各専門分野のHPなどよく勉強しておきましょう

- 小論文についての質問 プロ中のプロからのつっこみです、覚悟しましょう、、!
  我々受験生は完璧な小論文を書ける可能性は低い&東大教授がそれをチェックする=。。。!

- いずれにしても「自分はSPH入って積極的に学ぶ姿勢がある」「強い動機がある」「態度や礼儀」「基礎的な公衆衛生学的な考え方を持ってる」そのあたりを見ているように感じます

- 小論文の質疑では先生方からのご指摘に対して変な言い訳をしたり、失礼な態度はとらない方がよいでしょう(当たり前ですが)

- 大勢の先生方が居るので、それに圧倒されてしまいますが、できるだけ、はきはき・遠くの席の先生にも聞こえるような声の大きさで話しましょう

 

以上、かなりの長文になってしまいましたが、東大SPHを目指す方の助けになればと思います。

もし、ご質問・ご相談などあれば遠慮なくご連絡ください!
 

 

感想ですが、受験勉強の最初の頃は暗闇の中を歩いているような感覚で、地図が無いので今自分がどこにいるのか、そしてどこまで道が続いているのかわからず、かなり不安になってました。そんな中でこれまでの先輩方が書き記してくださったブログやNOTEが目印となり、少しづつ光が見えてきたような感じでした。これから受験する方も不安でいっぱいだと思います。就職、家族や職場の状況から背水の陣の方もいるでしょう。そんな方の少しでも手助けになれば幸いです。

以下は私が受験の際に勉強させていただいた先輩方のブログやNOTEです:

東大SPHを目指す貴方へ

東大SPH受験記 : 夜間飛行

[2020東大SPH入試] 私が合格するためにしたこと|カンマくん

2024年度入試 東大SPH合格体験記|たなお

看護師の東大SPH受験体験記|Risa

看護師の東大SPH受験体験記(その1)|ベンゼン

東大SPH受験体験記/戦略記・書類審査編|蟻路屋の放牧場

エリザマス|note

東大SPHに合格した薬剤師の受験記録: 東大SPH受験勉強(詳細)

https://medsurgblog.com/177/


追記:
点数開示が届き、全体で8割程度とれてました!
点数の分布が例年同様なら、ある程度余裕を持った点数になると思うので、この記事の内容に少し自信が持ててよかったです!

 

よりSpecificな内容はここではお答えできませんのでメッセージをいただければ幸いです。

発表や論文で『円グラフを使うな!』という意見について考えてみます

 

円グラフ

発表や論文で『円グラフを使うな!』という意見があります。⇩

Here’s why you should (almost) never use a pie chart for your data

 

でも巷では円グラフはたくさん見ますよね。

学会に参加すればどれほど見ることか。。。

新聞やネット記事でも度々みます。

 

そこで『円グラフを使うな!』という意見について検証していきたいと思います。

 

円グラフの問題点 

Here’s why you should (almost) never use a pie chart for your dataからi一部引用・改変)

  • 3つ以上のカテゴリがある場合、誤解を招き、読みにくくなる
    -いくつかカテゴリの中でどれが一番大きいのかをに判断するのが困難
    -グラフの中で共通の基準点を持たないため、占める領域が比較しにくくなる
    -隣り合っていないカテゴリーは比較しにくい
    -数十あるカテゴリを1つの円にまとめると、解釈が非常に難しい
    -色によってカテゴリーをわけると色覚異常がある方には不利であったり、白黒印刷に耐えられない

円グラフ

↑ 確かに見難い。白黒印刷したらより厳しい。これなら他の図の方がいいですね。

 

  • 3次元の円グラフを使用すると、データの誤解はさらに深刻化する:
    同じ割合であっても、グラフをみる角度によって、異なる大きさに見える。
  • 3D円グラフの問題はこのショート動画が非常にわかりやすいです:- YouTube

 

円グラフの代替手段は?

「棒グラフ」

これなら大小が判断しやすい。なぜなら同一の基準点があるから。

棒グラフ



 

円グラフを使うべき時はあるのか?

  • いくつかのカテゴリしかなく(2-3個のカテゴリー)
    割合が明らかに異なる場合には、円グラフが適していることもある

 

結論

  • わざわざ円グラフを使う場面は限られそう
  • 事情がなければ円グラフに拘る必要はない

 

 

参考:

theconversation.com

 

note.com

ameblo.jp