ある産婦人科医の備忘録

産婦人科医の臨床、研究、考えについて

PowerPointとかpdf → .epsへ変換する

論文ジャーナルによってはFigureの拡張子をepsで指定してくるところがある.

私が投稿したところはしかもpdf不可という文言もある. 逃れられない.

 

私は

① Rで作図

② PowerPointで編集

③ PowerPointで名前を付けて保存でpdfへ変換

④ Xnviewで .ps へ変換

⑤ オンラインの変換サイトで ps → eps へ変換

という遠回りをしてなんとかできた.

 

有料のillustratorとか使えばもっと簡単にできるだろうし

無料でももっと良い方法があるのかもしれないが, 私にはこれしかわからなかった.

 

他の方法も試したが, Figureの中で文字がズレたりと上手くいかなかった.

 

以上, いまどきどこに需要があるのかわからない備忘録を記す.

正直, pdfやらPowerPointのまま提出が制限されることに非常に悲しくなる...

 

 

★追記:上記の方法でもレイアウトがずれたり上手くいなかいことがありました.

 

lnkscape という便利なフリーのソフトがあるようですね.

下記のリンク先を参考にしたら上手くいきました!

(私はパソコン大の苦手なのでコマンドとかよくわらかないので

マニュアルで名前を付けて保存でeps選択しました.)

 

① PowerPointで作図

② .svgで保存

③ それをlnkscapeで開いて .eps で名前を付けて保存 

 

Inkscapeを使ってPowerPoint図をEPS画像に変換する - wide and deep

アウトカムが連続変数かつ説明変数も連続変数のときに、説明変数にカットオフ値を設けるには?

アウトカムが連続変数かつ説明変数も連続変数のときに、説明変数にカットオフ値を設けるにはどうしたらいいんだろう?と数年前に悩んだことがあったので記録しておく.

 

例えば、

・アウトカム 出血量 (連続変数)

・説明変数 体重 (連続変数)

この2変数で散布図を書いたときに,きれいな線形性の関係がなく

ある体重の値の前後で明らかに出血量が違いそうな場合

(やっつけ図↓)

 

カットオフの決め方

図からだいたいのこの値だろう! とするのは恣意的であり問題.

 

そんなときは,体重(説明変数)をカテゴリーする

このカテゴリー化も恣意性を無くすために等間隔 10kg毎に分割などとする

 

そして説明変数がカテゴリー化できたら分散分析を行う.

カットオフで有意ならそれを提示することができる.

 

 

他には非線形な回帰を行う方法もあるが,これはカットオフを提示するものではないし,

説明可能性が下がることもある.

 

 

まとめ:

アウトカムが連続変数かつ説明変数も連続変数のときに、説明変数にカットオフ値を設けるにはどうしたらいいんだろう?

→ 説明変数をカテゴリー化して分散分析を行う!

 

臨床研究において欠損値(NA)と非統計家が孤独に戦うには

欠損処理と聞いて苦手意識を持つ人は多いと思う.

欠損が問題になるのはわかるけど,具体的にどうしたらいいかわからない.

そんな人と自分の備忘録として記す.

 

まず欠損がなぜ問題なのかと、その対策法を理解するために

欠損のメカニズムの理解が必要である.

 

・欠損メカニズム

 → MCAR、MAR、MNAR

 まずこれらの違いを学んで欲しい.

 ググれば素晴らしい解説がたくさん出てくるのでアウトソーシングする.

 しかし,それら解説を読んでも分からない人に足りない知識はおそらく

 DAG(Directed Acyclic Graph:非巡回有向グラフ)の理解だと思う.

 DAGについても素晴らしい記事がたくさんあるのでググってください.

 

さて欠損メカニズムを理解したらそれらに対する対処法である.

めちゃくちゃざっくり言うと

多くの観察研究では欠損をMARと捉えて多重代入法をするしかない.ことが多い(怒られそう)

 

MCAR(欠損が問題にならないパターン)であることは少ない 

 というか示すのも難しい.

MNARだと多重代入法でも対処できないし,じゃあ諦めるのかというと

(MARとの明確な区別もできないので,MARとして扱うしかないことも)

 

よって,MARと考えて多重代入法をすることになる.

 

多重代入法とは?

① 代入フェーズ

欠損値を,他の観察できている因子(たくさんある方がいい)から予測(シュミレーション)

する. 

この予測を1回だけで終わらすのではなく,たくさん(20~100回)やる.

そうすると20-100個の欠損が埋められたデータセットを作ることができる.

 

② 解析フェーズ

このたくさんのデータセットそれぞれで

もともとやりたかった解析(重回帰やロジスティックス回帰や傾向スコアマッチングなど)をやる.

つまり,解析は作ったデータセットの数だけ(20-100回)やることになる,

よって解析結果も20-100個できる.

 

③ 統合フェーズ

最後の段階で

このたくさんある解析結果を統合して1つの結果にする. 終了

 

 

たくさん代入フェーズにおける欠損予測のアルゴリズムはいくつか開発され,

それぞれ違いがあるが,明確な正解もないはずなので,

非統計家はそこに拘らなくてもよいだろし,論文を投稿して突っ込まれることも

ほぼないだろう.(たぶん 現時点では)

 

 

多重代入法を実装するに私はRを使っている.参考書も豊富である.

計算が重いのである程度のパソコンの性能がないと難しいのでそちらも考慮してほしい.

 

下記の教科書を参考にして私は実装することができた.

 

欠損に特化した参考書.

読むにはちょっとした数理的理解とRの理解が必要.

でも必要なこと.

www.kyoritsu-pub.co.jp

 

因果推論に関わる話が網羅的に書かれている.

Rの実装にも役立ち非常に素晴らしい本.

www.kyoritsu-pub.co.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年 抱負など 産婦人科専門医取得後の道

2022年

 

まだコロナは社会に強く影響している.

これから感染者数が増えることに全国が不安を抱いている.

 

個人としての状況としては,専門医取得後どのようなキャリアを築くかが最大の問題である.

 

臨床医としては

産婦人科医 - 周産期

        婦人科

                          生殖

       女性医学

と枝分かれし、更にその中でも細分化される.

その中でも,手術・腹腔鏡・超音波・遺伝などが横断的かつメインの領域だろう.

しかし,私の境遇ではあと数年は専門性の高い領域に従事することは不可能である.

来るべき数年後のために現在できる範囲での準備をするというのがわりと平凡な?やり方だろう.

しかし,私は性格的に冒険をしたくなってしまうのでそうではない道を選びたいと思う.

臨床研究を行う能力に特化しようと思う.

 

なかなか荊の道になるし,失敗すれば他者と比較したときに遅れをとりそうだが

レバレッジをかけて投資をしてみたいと思う.

産婦人科専門医試験に合格していましたという報告

2021年 産婦人科専門医試験に合格しておりました! やったね

 

通知されたのは2021/12/14でした.
 (レトロにみるとこの日のPVが外れ値w)

試験自体は8月だったので,だいぶ通達までに空きましたね.

コロナの影響で東京では面接時期を遅らせた影響だとか.

 

専門医いるいらない論もありますが,
私は臨床を続くていくなら持っていたほうがいいと思います.
(高次施設では言うまでもないですが)

理由は信頼度を測る上で重要な要素となるからです.

そして,将来的に専門医の有無で業務等で更なる制限が発生するリスクもありますしね.
(専門医をとるインセンティブのために)

 

専門医に必要な症例の経験と試験知識は臨床をやる上で必要最低限だと思います.
そこを到達することができない場合はかなりキツイと思います.

 

試験勉強法については別の記事があります↓ 

obstetrician.hatenablog.com

 

 

 

さて,私は今後何を目指していくのか...
いずれにせよ身につけたスキルを社会に還元していきたいと思います!

 

信念がない奴はダメ 目的と方法の混同 という話

山口周氏のインタビューを元に(間違っていたらすみません)

ちょっと考えをまとめてみる.

 

世界経済はGDPを指標としているが,それは米国のルールに乗ることになる.

中国はGDPという指標を重視する路線を降りた.

日本は既に人口ボーナスは無く,GDPを指標として経済成長を目指すのは

辞めるべきではないか.

GDPを増やすことが目標なのではなく,国民のwell-beingを向上させることが目標である.

目的と方法が混同しがちである.これは社会に蔓延している問題である.

金を稼ぐこと,地位や名誉を上げることが目的なのか?

何か自分の興味や幸せを感じるWork,Businessを通じて,

結果として地位や名誉を上がるというのが自然である.

 

さて,自分はどうだ?

何の為に論文を書くのか.

何の為に臨床力を向上させるのか.

それは,自分の働きにより救われる人がいるというやりがいドリブンである.

結果としてそれが評価されればよい.

論文のための論文はダメだ.

現場のpracticeを改善させるインパクトのあるものを生み出すことを目的とすべきだ.

小手先ではなく,しっかり真のある論文を書きたい.

私は論文の執筆が好きだ.

 

 

 

第一回データサイエンティスト検定 リテラシーレベル 受かっていたよという話

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無事 データサイエンティスト検定 リテラシーレベル 合格でした.

 

勉強したおかげでSQLとかはちょっと復習すれば理解できるくらにはなっている.

機械学習系の本もだいたい何が言いたいのかはわかる(初級者レベルですが).

 

第一歩として勉強する価値はあると思います.

 

勉強法は↓

obstetrician.hatenablog.com